癌の高濃度ビタミンC療法

なぜ点滴が必要か

本WEBSITEのトップページで、ポーリング博士の末期進行癌患者に点滴とサプリメントでビタミンCの投与を行うと生存期間が4.2倍~6倍延長したという報告の臨床論文をご紹介いたしました。


「末期進行癌の患者200人に点滴とサプリメントでビタミンCを投与すると、生存期間が対照群(2000人)の4.2倍から6倍延長する」

Proc Natl Acad Sci USA, 1976&1978


メイヨー医科大学が発表した別の論文では、
「進行癌の患者60人に2ヶ月間ビタミンC10gを経口投与したが、ビタミンCを経口投与しないグループと、臨床症状、食欲、体重に有意差はなく、生存期間も同じである」という意味のものがあります。
(Creagan ET, at al. NEJM 301:687-690, 1979)


当院の解釈として、上記のふたつの論文から導き出される結論として、


「癌の治療には、ビタミンCのサプリメントをわずか2ヶ月という短期間、しかも経口投与するだけでは不十分であり、高濃度ビタミンC点滴療法とビタミンCのサプリメントを長期間、併用することにより、はじめてビタミンCが癌に対して効力を発揮する」


ということが言えると思うのです。(一般的な解釈としては、メイヨー医科大学の論文からビタミンCは癌に効かないということがよく言われた時期がありました)


その科学的根拠として、ビタミンCをいくら大量に経口投与しても、血中濃度はある一定以上には上がらず、残りは尿として流れてしまうのです。


直接、静脈内にビタミンCを大量投与することにより、はじめて癌細胞を殺すことができるだけの血中濃度を確保することができるのです。


単に経口摂取するサプリメントとしてのビタミンCの働きと、点滴で静脈内に入れる高濃度ビタミンCでは、身体に働く薬理的作用機序がまったく異なります。


高濃度のビタミンCは癌細胞の組織に過酸化水素水を運ぶようになり、選択的に癌細胞を殺すようになるのです。(アメリカ国立衛生研究所、アメリカ国立癌研究所、アメリカ食品医薬品局の共同研究)


一般の人に分かりやすいようにもう少し書き変えると、
高濃度ビタミンCは、消毒液にも使われる過酸化水素水を癌細胞の周りに生成し、それが癌細胞内に取り込まれて癌細胞を殺すということになります。


もう少し突っ込んで書きますと、実は高濃度ビタミンCはすべての細胞の周辺に過酸化水素水を生成しようとするのですが、正常な細胞には過酸化水素水を分解するカタラーゼという酵素が豊富にあるため、細胞はダメージを受けないのですが、癌細胞はカタラーゼがあまりないので、癌細胞を選択的に殺すことができるのです。


つまり、旧来の抗癌剤が正常細胞を含むすべての細胞にダメージを与えようとするのに対して、高濃度ビタミンCは癌細胞にのみ選択的に作用して癌を殺そうとする理想的な薬剤(化学療法)ということができるのです。

ビタミンCはどのような癌に効くのか

アメリカ国立衛生研究所、アメリカ国立癌研究所、アメリカ食品医薬品局(FDA)の共同研究の論文が発表された後、世界中でさまざまなビタミンCの癌に対する効果が発表されるようになりました。


悪性脳腫瘍である神経 芽腫に高濃度ビタミンCを腹腔内から大量投与すると、腫瘍が大きくなることが抑制された臨床結果(さらにビタミンCを投与されたグループに転移はなかったそうです)、ビタミンC点滴療法が腎臓癌や膀胱がん、悪性リンパ腫に奏功した例などです。


この腎臓癌の例では、両肺に多発性転移が認められていたのが、高濃度ビタミンC点滴を行うようになって7ヵ月後には多くの転移巣の消失が認められ、わずか1箇所が残るだけになっていたのでした。(カナダ医師会医学誌 CMAJ 2006;174(7):937-42)
高濃度ビタミンC点滴療法は、点滴からビタミンCを投与するため、特に血流が多い癌に有効です。


脳腫瘍、肺癌、胃がん、大腸がん、すい臓がん、肝臓がん、乳がん、卵巣がん、子宮がん、膀胱癌、腎臓癌、
前立腺がん、白血病、悪性リンパ腫、中皮腫 その他


あらゆる癌に試してみる価値はあるし、転移の予防に高濃度ビタミンC点滴療法を行う、また手術前に癌が大きくなったり、転移するのを防ぐため、予防的に高濃度ビタミンC点滴療法を行うことができるのです。

どのような場合に高濃度ビタミンC点滴療法を行うのか

高濃度ビタミンC点滴療法は、もちろん、単独でも効果がありますが、一般的に行われている標準治療(手術、抗癌剤、放射線療法)を否定するものではありません。


それどころか、高濃度ビタミンC点滴療法を標準治療と併用することにより、標準治療の効果をより良くすることができ、副作用を軽減することができるのです。


高齢者(80歳以上)の方には、抗癌剤の使用は体力的にきついと思われますが、こんな方も、高濃度ビタミンC点滴療法の良い適応だと思われます。


また、抗癌剤は遅かれ早かれ身体に耐性ができて、いずれ効かなくなってきます。
そんな方にも有効です。


また、腫瘍が大きくなり過ぎたり、転移巣が多すぎて治療不可能という方にもお勧めできます。
標準療法を拒否し、代替療法による治療をご希望される方にも、当然ながら理想的な治療法と言えます。

ビタミンCの臨床的実感

実際に高濃度ビタミンC点滴療法を行っている多くの医師が実感するのは、高濃度ビタミンCを投与することにより、患者様が元気になられるということです。


ビタミンC点滴療法は進行がん患者の全身倦怠感、易疲労感、痛み、不眠、食欲不振を改善する(韓国医師会雑誌2007)


点滴療法研究会が行った調査研究では、高濃度ビタミンC点滴療法を行うことにより、患者様が身体的に楽になり、感情も安定するようになり、物忘れなどを少なくなり、社会的にも活動ができるようになったという報告がございます。
さらに、疲れにくくなり、痛み、息苦しさ、不眠、食欲不振、便秘や下痢が改善されたのでした。

高濃度ビタミンC点滴療法はどれくらいの血中濃度なのか

実際に高濃度ビタミンC点滴療法を行う場合、ビタミンCの血中濃度を3,500~4,000μg/mlまで上げることを目標にします。
この濃度まで血中ビタミンCの濃度を上げることによって、ほどんどの癌細胞にダメージを与えられるようになります。
これ以上血中ビタミンCの濃度を上げることも可能ですが、治療効果はあまり変わらないので、この濃度が理想的な濃度ということが言えます。


日本で販売されているビタミンCには防腐剤が含まれているため、この濃度を実現することは不可能になっています。

高濃度ビタミンC点滴療法が行えない人

このように高濃度ビタミンC点滴療法は、素晴らしい理想的な治療法ですが、残念ながら、治療ができない人がいます。

G6PD欠損症の方

高濃度ビタミンCを投与することにより、急性溶血発作を起こしてしまうため、絶対禁忌となります。

活動性心不全の方、高度の腎不全の方

高濃度ビタミンC点滴療法は、血液に大量のビタミンCを投与するため、活動性心不全の方、高度の腎不全の方の場合、身体への負担が大きくなり過ぎてしまうため、できません。

明らかな精神疾患のある方や難治性の併発症のある方

日々のビタミンCのサプリメントも大切です

ビタミンCを点滴しない日は、ビタミンCを内服することが大切です。
ビタミンCを摂取しないと、体内にビタミンCの耐性ができてビタミンCの効果が発揮できなくなることがあるからです。