癌の心理療法

癌の基礎的疾患として、ストレスと炎症があります。
ストレスは炎症を引き起こすので、ストレスを取り除くことが癌に対する根本的な体質改善になります。

タバコをプカプカ吸っても肺癌にならない人もいれば、タバコを吸わなくても肺癌になる人もいます。

厳格な健康法をしっかりとやっているのに病気になる人、好き勝手に不摂生をしているように見えても病気にならない人、その差は日常生活でどれだけ無意識のうちにでもストレスコントロールができているかの差なのです。

心理療法によって、ストレスを取り除いたり、日常でストレスを受けないような強靭な精神を作ることができます。
そのため、目白ポセンシアクリニックでは、癌の根本的治療として心理療法を大切にしています。

具体的には点滴を受けられている時に、カウンセリングを行います。
カウンセリングを行った方が予後が良くなり生存率が上がるというデータがあります。
人生でつっかえている部分や人間関係を見直すと、病気の改善に役立つことがあります。

癌に勝つための心理学 ~回避志向と目的志向~

昔を思い出して下さい。
親から勉強しろ、勉強しろと言われて、本当に勉強したでしょうか?
ほとんどの人はしなかったはずです。人間は強制されて動くようにはできていないのです。
最初は動いても、効果は長続きせず、すぐ動かなくなってしまいます。

心理学的には、人が何かを行う時、つまり動機づけられる時、ふたつの動機づけの方法があります。
ひとつは目的志向で、あることをやりたいからやります。
もうひとつは回避志向で、何かを避けるためにあることを行うのです。

自分が外国人と英語で話したいから英語を勉強するなら目的志向型、他人から強制されて叱られるのがイヤで勉強するなら回避志向型です。
どちらの動機づけかによって、その成果も全く違ってきます。当然、目的志向型の方が、良い結果を出します。

それでは、皆様が癌の治療に取り組まれる時、どんな動機づけで治療に取り組まれていらっしゃるのでしょうか?


ほとんどの人が、癌になるのはイヤだから、病気はイヤだから、死ぬのはイヤだからという気持ちで治療をお受けになられているのではないでしょうか?
これらはすべて回避型志向です。
そして、これまで見てきたように、回避型志向では、長続きせず、目的をなかなか達成することは難しいのです。
これが、多くの人が癌治療に成功しない理由です。

つまり、癌を治そうと思ってはいけないのです。
それでは回避志向になってしまいます。
癌を治したい、癌から逃れたいと考えるのでなく、自分が何をやりたいのか、何をやるべきなのかを考えると、目的志向になり、治療が成功しやすくなります。


多くの人が食事療法をはじめ、様々な治療で失敗します。
それは、癌が治って欲しいと思って食事療法を行うからです。
状況が厳しい時は緊張しているので厳しい食事制限に耐えることができますが、ちょっと症状が良くなってくると油断して、何か食べたくなってしまいます。
回避志向型の典型的な失敗例です。

私自身、癌の食事療法を研究するようになってから、自分自身の食事は炭水化物を大幅に制限するようになりました。

ある人に、「ご飯もパンも麺類も食べられないなんてかわいそうですね」
と言われたことがあります。

私は、「食べられないのではなくて、自分の意志で食べないのです。
この方が身体が軽くなってやりたいことができ、気持ちが良いのです。
「かわいそうなことは全くありません」と答えました。

私は癌ではありませんので、何でも自由に食べられます。
しかし、炭水化物、糖質を制限した方が身体が軽くなり、自分のやりたいことがどんどんできて、仕事がはかどるのです。

このようにやりたいことを持ち、目的志向型になれば、厳しい食事制限でも乗り越えていくことができると思います。

だから、皆様にまずやっていただきたいことは、自分のやりたいこと、やるべきことを見つけることです。
本当に心の底からこれをやりたい、そのためにはへこたれるわけにはいかない、死ぬわけにはいかないんだという強い気持ちをお持ちになられた時、癌に打ち勝てる基本的な心構えができるのです。


これで、なぜ私がここまででも癌の治療以外にいろいろな精神論について書いてきたか、お分かりになられたかもしれません。
回避志向から脱脚していただきたいためだったのです。

癌の恐怖から抜け出て、本当に自分のやりたいこと、やるべきことを見つけた時、道は開けてきます。